剱岳への道~その5
第3日目(8月8日)
さあ、今日はいよいよ剱岳登頂の日だ。
緊張と期待と不安が入り混じって、なんともいいようのない気分である。
ここまで来ただけで上等だという気持ちと、ここまで来たからにはなんとしても頂上に立ちたいという気持ちがまぜこぜになって自分の胸に去来する。
とにかく事故のないように気を抜かずに行こう。幸い天候も上々のようだ。
夜が明ける前に剣山荘を出発した。
【第3日目の行程(青線) 剣山荘~一服剱~前剱~剱岳山頂~前剱~一服剱~剣山荘~くろゆりのコル~剱御前小舎】
さあ、今日はいよいよ剱岳登頂の日だ。
緊張と期待と不安が入り混じって、なんともいいようのない気分である。
ここまで来ただけで上等だという気持ちと、ここまで来たからにはなんとしても頂上に立ちたいという気持ちがまぜこぜになって自分の胸に去来する。
とにかく事故のないように気を抜かずに行こう。幸い天候も上々のようだ。
夜が明ける前に剣山荘を出発した。
【第3日目の行程(青線) 剣山荘~一服剱~前剱~剱岳山頂~前剱~一服剱~剣山荘~くろゆりのコル~剱御前小舎】
04:00 起床
04:50 出発
一服剱に登る途中で夜明けを迎える。朝焼けが美しい。振り返れば剱御前に朝陽があたり山肌が輝いている。この光景を「モルゲンロート」というそうだ。
【夜明け】
【モルゲンロート】
一服剱への途中で最初の鎖場に出会う。いよいよ剱の試練が始まるのだ。ベテランのY氏は鎖場でもあまり鎖を使わない。手と足でぐんぐん登っていく。しかし私はそうはいかない。全面的に鎖に頼って腕力勝負で登っていく。
30分ほどで一服剱の山頂に到着。
そこからの光景は衝撃的だった。前剱が圧倒的な強さで私たちの前に立ちはだかっていたのだ。
ほとんど垂直の壁のようだ。登山路らしき筋はいまにも崩れ落ちそうな岩だらけだ。そこに、先行する登山隊が必死に張り付いているのが小さな点になって見える。
あそこを登るのか?? とても生身の人間が登れるとは思えない。
しかも剱岳本体は前剱のさらに奥にあって、ここからはその姿さえ見えないのだ。
やっぱりムリかも・・・。急に弱気になる。
【前剱】
が、気を取り直して一服剱の頂上で一服(朝食)することにした。
そして気持ちを落ち着かせ、覚悟を決めて一歩を踏み出した。
ムリかと思われた急斜面もいざ取り付いて一歩一歩進めていけば攻略することはできたのである。
ただし、一歩一歩が慎重に踏み出されなければならない。緊張が強いられる場面が続いた。
私はなにも考えず、ただひたすらに前を行くY氏のたどる足跡をトレースし続けた。
そして一服剱から約1時間後、ついに前剱の頂上に達した。
剱岳の本体が姿を現したのである。いよいよ最後の本丸だ。
【剱岳】
しかし、ここから先は恐怖の連続だった。
断崖絶壁に渡された鉄製の傾いた橋を渡り、鎖につかまって岩場をトラバースし、岩を登り、岩を下り、落石注意の標識に恐れおののき、果てしない苦闘の末に有名な難所の「カニのタテバイ」にたどり着いた。
【恐怖の橋】
【崖を降りる】
【カニノタテバイ】
うわさのとおり、ここではだれしもが慎重に時間をかけて登るのだ。順番を待たねばならない。
その間に、私は上がった息を整え、最後の難関に挑む気合を入れなおした。
(その6に続く)
04:50 出発
一服剱に登る途中で夜明けを迎える。朝焼けが美しい。振り返れば剱御前に朝陽があたり山肌が輝いている。この光景を「モルゲンロート」というそうだ。
【夜明け】
【モルゲンロート】
一服剱への途中で最初の鎖場に出会う。いよいよ剱の試練が始まるのだ。ベテランのY氏は鎖場でもあまり鎖を使わない。手と足でぐんぐん登っていく。しかし私はそうはいかない。全面的に鎖に頼って腕力勝負で登っていく。
30分ほどで一服剱の山頂に到着。
そこからの光景は衝撃的だった。前剱が圧倒的な強さで私たちの前に立ちはだかっていたのだ。
ほとんど垂直の壁のようだ。登山路らしき筋はいまにも崩れ落ちそうな岩だらけだ。そこに、先行する登山隊が必死に張り付いているのが小さな点になって見える。
あそこを登るのか?? とても生身の人間が登れるとは思えない。
しかも剱岳本体は前剱のさらに奥にあって、ここからはその姿さえ見えないのだ。
やっぱりムリかも・・・。急に弱気になる。
【前剱】
が、気を取り直して一服剱の頂上で一服(朝食)することにした。
そして気持ちを落ち着かせ、覚悟を決めて一歩を踏み出した。
ムリかと思われた急斜面もいざ取り付いて一歩一歩進めていけば攻略することはできたのである。
ただし、一歩一歩が慎重に踏み出されなければならない。緊張が強いられる場面が続いた。
私はなにも考えず、ただひたすらに前を行くY氏のたどる足跡をトレースし続けた。
そして一服剱から約1時間後、ついに前剱の頂上に達した。
剱岳の本体が姿を現したのである。いよいよ最後の本丸だ。
【剱岳】
しかし、ここから先は恐怖の連続だった。
断崖絶壁に渡された鉄製の傾いた橋を渡り、鎖につかまって岩場をトラバースし、岩を登り、岩を下り、落石注意の標識に恐れおののき、果てしない苦闘の末に有名な難所の「カニのタテバイ」にたどり着いた。
【恐怖の橋】
【崖を降りる】
【カニノタテバイ】
うわさのとおり、ここではだれしもが慎重に時間をかけて登るのだ。順番を待たねばならない。
その間に、私は上がった息を整え、最後の難関に挑む気合を入れなおした。
(その6に続く)
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