剱岳への道~その8(完)

剣山荘で昼食を摂り、休息をとった私たちはその日の宿泊地である剱御前小舎に向けてふたたび歩き出した。ルートは、来たときとは異なり「くろゆりのコル」を経由し、雪渓を横断していくコースにした。このコースは振り返ると剱岳のすばらしい眺望を堪能することができるからだ。

高山植物が咲き乱れる中を、何度も振り返り写真を撮りながら別山乗越にある剱御前小舎をめざして歩いた。
途中、なんども雪渓を渡る場面があったが、滑落しないよう一歩一歩踏みしめながら進んだ。


雪渓と剱岳
【剣山荘をあとにして剱御前小舎に向かう 後方は剱岳】

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剱岳への道~その7

しばし山頂で、言葉にできないほどの深い感慨に浸ったあと、下山を開始した。

下りは登りとは別のルートを通ることになっている。その中でも超一級の難所が「カニのヨコバイ」で、ベテラン・クライマーでもビビるという。

断崖絶壁の岩場を回りこむのだが、その先の足場が見えない。岩の向こうは天空だ。どのような体勢で、手と足をどのように配置したらいいのかがわからないのだ。ここで進退窮まるひとが多いのである。そのため、登りの難所「カニのタテバイ」以上に通過するのに時間がかかる。


カニノヨコバ
【カニのよこばいの標識 このあとは写真を撮る余裕なし】


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剱岳への道~その6(登頂です)

カニノタテバイまでたどり着いた私は深い感慨に包まれていた。
今年の2月に初めて登山靴を履いたばかりの素人がただの一念だけでここまできたのだ。
周到に慎重に準備を進めてきて、それが現実の形となっていま実現しようとしている。
なんども繰り返しイメージトレーニングを積んできた「カニノタテバイ」がいままさに目の前にある。
そのことに胸がいっぱいになっていたのである。


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剱岳への道~その5

第3日目(8月8日)

さあ、今日はいよいよ剱岳登頂の日だ。

緊張と期待と不安が入り混じって、なんともいいようのない気分である。
ここまで来ただけで上等だという気持ちと、ここまで来たからにはなんとしても頂上に立ちたいという気持ちがまぜこぜになって自分の胸に去来する。
とにかく事故のないように気を抜かずに行こう。幸い天候も上々のようだ。
夜が明ける前に剣山荘を出発した。


8/8
【第3日目の行程(青線) 剣山荘~一服剱~前剱~剱岳山頂~前剱~一服剱~剣山荘~くろゆりのコル~剱御前小舎】



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剱岳への道~その4

第2日目(8月7日)

今日の行程は、雷鳥荘から剣山荘まで。
剣山荘は剱岳にもっとも近い山小屋で、剱岳に登るための最前線基地である。

雷鳥荘からは、いったん雷鳥沢に下り、そこから別山乗越と呼ばれる峠のようなところまで登り、剣沢を下って剣山荘に至る。
余裕があれば、剱御前、別山、北峰にも登って剱岳への登山路を観察しようという作戦である。
私は剱岳に登るためにはできるだけ体力を温存しておきたい気持ちがあったが、別山乗越でメインザックを残して軽装で剱御前に登るという手があることを知り、少し安心した。


8/7
【第2日目行程(赤線) 雷鳥荘~別山乗越~剱御前(往復)~別山~北峰~剣沢~剣山荘】

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Author:HappyHoliday2020
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